食事の経験と味覚の変化に関する一考察(卒論)

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    資料紹介

    コーヒーなどの嗜好品は、誰にでも好かれる味ではない。特に、苦みを嫌う子どもには好かれない。けれども、大人になるにつれ、コーヒーを好む人も多くなる。ところが、中には子どもの頃と変わらず、コーヒーを苦いと感じ、飲もうとしない人もいる。また、ピーマンやゴーヤなどの苦みの強い野菜、わさびやからしなどの独特の風味がある薬味、酢の物や冷やし中華などの酸味のある食べ物も、子どもに好かれないことが多い。しかし、いつしか食べられるようになる。では、大人になると味覚は変化するのだろうか。本研究では、子どもの好き嫌いは大人になると改善するのかどうか、子どもが嫌う味を、大人になるにつれ克服できるかどうかを考察する。
     研究の方法として、文献調査、企業の行ったアンケート調査を調べる。さらに、大学生を対象としたアンケート、聞き取り調査を行い、結果を分析することとする。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    1.1 はじめに

     筆者は、自分と友人とを比べて、不思議に思うことがある。それは、筆者はコーヒーが好きなのに、友人はコーヒーが嫌いだということである。例えば、コーヒーなどの嗜好品は、決して誰にでも好かれる味をしているとは言えない。特に、子どもは苦みを嫌うので、子どもには好かれない。しかし、大人になるにつれ、苦みに舌が慣れ、さらには苦みがクセになり、コーヒーを好む人も多くなるだろう。ところが、友人は子どもの頃と変わらず、コーヒーを苦いと感じ、飲もうとはしないのである。

     コーヒーの他にも、子どもに嫌われる味がある。ピーマンやゴーヤなどの苦みの強い野菜、わさびやからしなどの独特の風味がある薬味、酢の物や冷やし中華などの酸味のある食べ物だ。これらは、一般的に子どもに好かれないことが多い。実際、筆者も子どもの頃はこれらが嫌いだった。けれども、いつしか食べられるようになり、むしろ好きだと感じるようにまでなった。では、本当に大人になると味覚は変化するのだろうか。コーヒーを例に挙げてみる。
    (図1)コーヒーは好きですか?

    「コーヒーが好きですか」という問いに対して、「ふつう」を中間とし、7段階...

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