資料紹介

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実質課税の原則は、租税法の解釈、適用にあたっていわれる原則の一つである。租税は経済的負担であり、その負担は公平であることが要請されることから、租税法の解釈、適用はその要請に応えるよう、経済的実質に即してなされなければならない。所与の税法秩序もとで、税法を解釈し適用していく場合の税法全体に通ずる基本原理は租税法律主義の原則と考えられ、租税法律主義以外の法原則も税法の運用・執行の段階では持ち込まれていない。これに対して、租税法律主義の原則以外の原理が存在するなか、その中で最も重要な基本原理として、実質課税の原則（課税における実質課税の原則）が存在する。
北野弘久日大教授は、「実質課税の原則は、日本税法学の『ガン』的存在であった」と指摘し、日本で実質課税の原則の運用が論じられた事例を類型化した上で、７つに区分して『ガン撲滅』を図っている。①借用概念について（税法固有の固有概念に対するもの）、この原則が論ぜられることがある。法人、所有、相続、利子、配偶者等といった概念を税法が借用する場合、税法上は、それらの概念に別段の規定がなくても、独自の法的意味を与えるという主張があり、実質課税の原則が論...

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