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慣習法の意義について、適当な事例を取り上げて論じなさい。
まず、慣習法について定義づける。慣習法の慣習とは、人々が社会で反復して繰り返してきた生活上の行動形式である。習俗(生活形式のしきたり)や礼儀なども慣習の一種である。こうした慣習のうち、慣行が法的拘束力があるものとして人々の法的確信にまで高められたもの、すなわち人々が法意識をもって慣行とするものを「慣習法」という。慣習法が成立するには、①慣習が存在すること、②このような慣習が、その共同体の構成員の間に、これによって相互の行動関係を規制し、紛争を解決するという意識、すなわち、その共同体によってこのような慣習が法であるという一般的信念が生じていること、③国がこれを法と認めることが必要である。
慣習法は、古くから村落共同体など自然発生的な団体の中で自然に生成された法規範であって、団体構成員の間で強い拘束力を持っていた。わが国では、国家法にとり入れられたもの以外は、制定法で認めたもの、及び制定法に規定のない事項に関するものに限り、法律と同等の効力があるとされる。(法例2条)。例えば、民法では、入会に関する慣習(民法263条・294条)、...