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芥川龍之介の『鼻』を読み、出典と比較して論ぜよ。
本レポートでは、芥川龍之介の『鼻』について簡単なあらすじを記述し、それを出典である『今昔物語』巻第二十八の「池尾禅珎内供鼻語第二十」と比較し具体的な相違点について記す。結論では芥川にどのような意図がみられるか、また出典が存在する文学作品の読み方について考え、論じる。
芥川龍之介の『鼻』について
芥川龍之介『鼻』の構成は文章的にも難解な表現は避けられており、シンプルな短編小説となっている。
主人公である禅智内供は五十歳を超える坊主である。近所でも有名な程長く伸びた鼻を持っており、強い劣等感を抱いていたが、それを周囲に気付かれないよう、気にとめていないように振る舞って過ごしていた。数々の方法を試し、自身の鼻を短くする、若しくは短く見えるよう努力したが、どれも失敗に終わっていた。
ある時、弟子が鼻を小さくする方法を医者から聞いてきて内供に伝える。鼻を茹でてもむというその方法を施すと、なんと内供の鼻は本当に小さくなったのであった。
内供は、これでもう誰も笑うものはないに違いないと喜んだ。しかし実際には小さくなった鼻を見た人に笑われて...