このレポートは社会契約説について述べています。
ホッブズ、ロック、ルソーを中心に添えています。
※このレポートは以下のレポートに収録されているものと同じ内容です。
慶応義塾大学法学部(通信)合格レポート集
http://www.happycampus.co.jp/docs/938478183489@hc15/122970/
■政治学
はじめに
近代民主主義の理念において社会契約説は多大なる影響を及ぼした。そして、その点にこそ、社会契約説の意義があると私は考える。本レポートではこれを検証するため、まず近代民主主義と社会契約説について概説する。そして主要な思想家――ホッブズ、ロック、ルソー――の唱えた社会契約説を見た上で、各々の社会契約説がどのようにして近代民主主義の理念に影響を及ぼしたかを検討していきたい。
第Ⅰ章 近代民主主義と社会契約説
近代民主主義における社会契約説の意義を考えるにあたって、まず両者を定義するところからはじめたい。
近代民主主義とは、絶対王政から市民革命を経て成立した近代国家の重要な政治形態であり、国民主権・基本的人権・権力の分立・法の支配などを主要な理念とするものである。
また社会契約説とは、「神に由来しない主権は存在しない」という神権論を乗り越えて「主権の源泉を個人」に見い出す思想である。換言するならば、権力の起源やその正統性・合法性の根拠を、被治者の自発的な同意にもとめる政治思想であるといえよう。
では以上を踏まえて、社会契約説がどのように近代民主主義に影響を及ぼし...