慶應義塾大学通信教育課程
総合教育科目「法学(憲法を含む)」の合格レポートです。
レポート課題:「公法」と「私法」という法分類の存在を前提として、1.「社会法」なる法分野の生成過程,および2.一般論として「社会法」の具体的内容とはいかなるものであるかについて、順番に従いそれぞれ個別に論じなさい。
なお、1を述べるにあたっては、テキストにいう「民法における指導原理」に必ず言及しつつ論を進めること。
あくまでもレポート作成の参考としていただき,コピペによる流用はなさらないようにお願いします。
法学(憲法を含む)
1.社会法の生成過程
第1章 公法と私法の概念
法は主に公法・私法・社会法に分類することができる。社会法を論じるに当たり、まずは公法と私法の概念について説明したい。
公法と私法の概念・分類を定義する学説として主に提唱されている、利益説・主体説・法律関係説の概要について以下に述べる。
(1)利益説
利益説とは、法の保護する利益が公的なものであるか、私的なものであるかという点に着目して、公法と私法を定義しようとするものである。しかし元来、法というもの自体が社会全体に関わるものであり、公的な利益と私的な利益を保護する両方の側面を有するものであり、最も基本的な公法とされている憲法において、基本的人権という私的利益を保障していたり、逆に私法の代表格たる民法において、登記・親族・相続等の社会的な影響度の高い事項についての定めが存在する等、保護すべき利益と法の目的は必ずしも一致しないのが通常である。したがって、利益説ではそもそもの区分自体を明らかにできていないという問題がある。
(2)主体説
主体説とは、法律関係の主体に着目して、公法と私法を定義しようとするものであ...