慶應義塾大学通信教育課程
経済学部専門科目「憲法(E)」の合格レポートです。
レポート課題:民法733条1項の再婚禁止期間規定に関する平成27年最高裁判決について考察せよ
あくまでもレポート作成の参考としていただき,コピペによる流用はなさらないようにお願いします。
新・憲法(E)
民法733条1項の再婚禁止期間規定に関する平成27年最高裁判決についての考察
はじめに
本レポートは,女性について6箇月の再婚禁止期間を定めた民法733条1項(1)について,一部を違憲であるとした最高裁判所の判決(最大判平27・12・16民集69巻第8号2427頁,以下「本件判決」)に関する論点について述べたものである。
本レポートは,課題の指定に従い,争点の整理・上告人の主張・最高裁の判断内容・判決に対する学説の評価を順に論じ,最後に筆者の見解を述べることによって構成されている。
1.本件の争点と上告人の主張
本件訴訟は,女性について6箇月の再婚禁止期間を定めた民法733条1項(以下「本件規定」)が合理的な根拠なしに女性を差別するものであり,法の下の平等を定めた憲法14条1項及び婚姻における両性の平等を定めた憲法24条2項に違反しているか否かが争われたものである。
上告人は,自身の再婚に当たって,本件規定があったために自らの望む時期より再婚の成立が遅れたと主張していた。そして,本件規定そのものに問題があるとする2点の主張と,規定そのものが必要であったとしても,6箇月...