M6701 文学概論 第1設題のレポートです。A判定でした。
レポート作成の参考にしてください。
『小説神髄』の「小説変遷」を読み、神話とロマンスの関係、ロマンスとノベルの関係について述べなさい。
まず初めに『小説神髄』について述べる。
『小説神髄』とは、一八八五年~一八八六年に松月堂より全九冊の分冊形式で刊行された坪内逍遥の文芸評論である。その主張は、文学の自律性を説いて功利的文学観を退け、小説の主眼を第一に人情、第二に世態風俗のありのままを模写するにあるとした。戯作や勧善懲悪の文学の衰退を招き、尾崎紅葉らの写実派の台頭に影響を与えるなど、日本近代文学の黎明期における最初の理論書としての役割を果した。
〈神話とロマンスの関係〉
まず、ロマンスとは何かということについて述べようと思う。
ロマンスとは奇異物語のことである。奇異物語のことをイギリスではロマンスと名付けていたのである。
ロマンスは、趣向を荒唐無稽の事物にとって、不思議な出来事が次々と現れて一編をなし、普通の世界に現れている、物事の道理と矛盾することを、少しも顧みないものである。つまり、奇異物語であるロマンスとは、現実ではあり得ない奇抜なことが起こったり、現実と矛盾が生じるような場面のある作品のことである。※1
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