明星大学通信教育部教育学入門1単位目レポート
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人間の成長は、他者からの助力を暗黙の前提とする「依存性」によって特徴付けられる。しか
し、この依存性は未成熟で無力であることに伴う特徴であり、子供の成長・人格の形成において
とても重要な意味を持つ。「依存性」と経験から学ぶ能力を意味する「可塑性」とをそのうちに
もつ「現在積極的に依存しているないし発達する能力」を自ら表現しているということができる
のである。可塑性とは経験によって自ら学ぶ力であり、粘土のように自由自在に変形する性質で
ある。また、経験から学ぶ能力という意味でもある。依存性も完全な無力や弱さとしてではなく、
親や環境に依存し適応するという力の基盤になっている。
教育をあらゆる習慣を習得するということや、人間と環境との適応を可能にするものであると
考える時、人間教育における可塑性が重要な役割を演ずることになるのである。だが、適応とは
私たちの行うことを環境に依存させるだけでなく、私たちが環境を変えていきそれに適応すると
いうこともさす。教育とは経験という意味を増し、さらに、来るべき経験を指導するための新し
い力を増す目的を持ってする「経験の再構成」であるということを...