グローバリゼーションは、これまでにない速度で、ヒト、モノ、カネ、情報が国境を越えて移動する状況を生み出し、これにより経済は言うに及ばず、様々な階層・分野でボーダレス化が進展し、世界は急速に一体化(世界共通市場化)を強めている。1989年の東西冷戦の終結以降、世界的な貿易やサービス取引、対外直接投資が増加していった。一般に説明される90年10月の東西ドイツの統一、91年12月のソビエト連邦の解体、92年10月の中国の市場経済化への政策転換の宣言などの歴史的な事件を契機にグローバル化が今日に向けて一気に加速していった。 東西冷戦当時は市場は西側諸国の限られたもので、社会主義国家では経済は統制されているので市場は存在しなかった。ところが冷戦が終結し社会主義が崩壊していくと新たな市場が生まれることになる。しかもそれらの国々では経済停滞が続いたため安価な労働力を多量に抱えており、そこにグローバル企業は新たな市場開拓のためそれらの国へと進出することになった。
第二次世界大戦後、米ソ両超大国がイデオロギー、軍事、政治、経済、文化等あらゆる面で対抗、自陣の勢力圏の拡大をめぐって世界を分割するような動き...