心理社会的アプローチとは、F.ホリスによって1960年代に提唱された実践アプローチである。家族関係の課題や精神医学的な課題、医療的な課題等の解決に用いられる。人が抱える問題は環境との相互作用から生じており、その人と環境に変化を起こさせることを目的としている。このアプローチは人の尊厳や独自性を尊重した援助効果の高さが期待できる。そしてこの実践には、すべての心理現象、心理的機能を自我との関係で理解しようとする「自我心理学」、社会生活の中でその人が担っている役割において、混乱したり葛藤や矛盾がないかなどに焦点を当てる「役割理論」、全体は諸要素から成り立ち、その個々の要素は全体と相互に作用しあって全体...