2017年 P6103 英語学概論 第2設題 A判定
のレポートです。
英語のaroundの多義構造を十分な一次資料に基づいて明らかにしなさい。
英語の前置詞aroundの多義構造を十分な一次資料に基づいて明らかにしなさい。
英語において前置詞は本質的な意味として空間的性質を持っている。物事の空間関係を表現するのに不可欠であるが、その多様性ゆえに前置詞の使い方に苦労している人々は少なくない。多義構造とは、語句によって異なる背景を持つ。
まず、イメージ・スキーマについて述べようと思う。
私たちが普段、様々なことと接触する際、それら1つ1つを単一の物事として、知覚しているのではないのだ。無意識のうちに、ある状況と別の状況に共通性を見出して、同じ言語表現を使って表していることがある。このような知覚を表現する一つに「イメージ・スキーマ」というものがある。イメージ・スキーマとは、図式で表される抽象的な知識の構造である。私たちが物事と接触するときに現れる知識的能力とも言えるだろう。
例えば、「上」と「下」という概念を、イメージ・スキーマを使って表現してみよう。「上」の存在を定義するためには「下」の存在が必要であろう。また、「下」を定義する際にも「上」の存在が必要だ。「上」と「下」は対照的な概念である。例えば、縦に、〇□□〇とあるとする...