しっかりとテキストを読み込み、なるべくわかりやすく論述させていただきました。
評価はAをいただきました。参考にどうぞ。
第二章「存在の問題」第一節「存在の意味」の内容を要約せよ。そして,テキストの内容に即して,自分のコメント・批判を加えよ。
日常生活の中では,「在る」という述語が多々使用されている。そしてこれらの「在る」の各々の意味は何か,これらの「在る」を分類し,領域ごとに考察できるか。これらの問題は,「在る」を「在る」ということ自身において考察することができる。「存在としての存在」は,どのような原理によるものなのか。その存在の原理・原因を研究したアリストテレスにとって,存在の原理・原因を研究する学は,他の諸学と区別せられて第一哲学(存在論,形而上学)と呼ばれる。
アリストテレスの『形而上学』において,存在を全体としてみるとき,存在は付帯的存在,本質的存在,真としての存在,可能態・完全現実態としての存在に分類され,いろいろな意味がある。しかし,要するに本質存在,即ちそれ自体に於いて存在するという意味での存在が最も基本的である。その意味での存在は,「本質及び個物としての存在」と「述語諸形態」に分けられる。前者は,「実体であり第一義的存在」である。これに対して後者は「実体に関して何かであるといわれる存在...