佛教大学通信教育課程 2016年度対応 Z1312教科教育法英語 第一設題

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    資料紹介

    佛大通信、教科教育法英語のレポート第一設題です。C判定でした。リポート作成の参考にしてください。なお、所見は以下のとおりです

    ・字数制限に注意してください
    ・中学校の授業の組み立てについては、5つの基本構成を挙げて、説明する必要があります。

    資料の原本内容

    テキスト第1章(中学校の授業)、第2章(高等学校の授業)、第3章(小学校の活動・授業)をまとめなさい。
    ●はじめに

    『』付で記述した後に(15p)のように書かれている場合、それはテキストの15pから引用した文章である。また、テキストの内容を越えてしまいそうではあるが記述しておく必要があるだろうと思われる文章(考察など)については、原則、脚注によって記述している。
    ●第一章
    ・小学校への英語教育導入による変化

     従来、英語というのは、中学校に入って初めて習うものであった。英語を教える私立小学校に通っていた、だとか、英会話教室の小学生向けコースに通っていた、というような例もあるにはあったが、原則、中学校で初めて学ぶものだった。

     それが、『平成23年度より小学校に英語活動が領域として加わった』(10p)ため、状況が変わった。現在の中学校の教師はもちろん、これから中学校英語教師の免許を取る者も、その多くは小学校段階での英語教育を体験していない事もあり、留意する必要がある。そのために、小学校の英語活動と中学校の英語教育の違いを確認する必要がある。

     小学校の英語活動は、英語という言葉を話せるようになるとか、読めるようになるとか、そういう事を目的にはしていない。そうではなく、英語に慣れ親しみ、英語を学ぶ動機づけとしたり、少なくとも英語の学習を忌避しないようにしたりするのが目的である。同時に、異文化理解への姿勢の基本を身につけるのも目的であるが、ともあれ、従来、中学校では「英語技能の教育」と「英語学習への動機づけ・英語学習への忌避感の排除」を同時にやらなければいけなかった訳で、ここが変化すると言える。

    同時に、中学校一年生の英語指導者は、小学校教育でせっかく英語を好きになってくれた、もしくは英語学習への忌避感を持たないようになった学習者を、英語嫌いにしてしましわないよう注意しなければならない。
    ・4技能の統合指導
     現在は、中学校の英語教育の時点で既に、4技能…即ち、「聞く」「話す」「読む」「書く」のすべてを重視し、統合して教えていく事が求められている。読み書きはできるけど聞きとりはできない、とか、そういう教育ではいけない、という事である。こう求められるようになった理由について、テキストでは、従来の英語教育では「聞き取りだけ」「文法だけ」といったような授業を個別に行う形であった点への反省を挙げている。別々に教えるために、4つの技能を組み合わせてコミュニケーションをとるところまでいけない場合が多かった、という事である。
    ・各時における授業の組み立てとその注意点
     授業の組み立て方や、他の科目とさして変わるものではない。最初に授業そのものの導入部があり(前時の復習はここで行う)、続いて本時のお題について導入があり、そこから話を展開させ、最後にまとめがある、という形である。

     また、授業の組み立て、および授業の実行における注意点というのも、他の科目とさして変わらない。例えば、一般的に、授業でたった今教えた内容を理解しているかどうか、あるいは今までの授業で教えたはずの内容を理解しているかどうかは、発問によって確認される。そういう点は、大きくは変わらないようだ。

     ただ、授業の導入部については、他の科目と少々異なるようだ。普通の授業は、すべて日本語で行われる。しかし英語の場合、日本語から英語に頭を切り替えなければならない。そのためか、授業の導入部において、前時の復習とは別に、「ウォームアップ」が必要であると記されている。
    ・導入
     授業のそのものの導入ではなく、本時に行う内容についての導入部については、特に解説されている。この部分は、例えば教科書本文の導入であれば、「英語で」かつ「口頭で」行うと述べられている。オーラル・インタラクション、もしくはオーラル・イントロダクションとされるものである。

     教師の側から英語を使って学習者に語り掛ける事の重要性は、テキスト全体を通して繰り返し述べられている。ただしその際には、『生徒の身近な話題につなげて』『生徒の興味ある話題に合わせて』『生徒の理解できる英語レベルを考慮して』(14p)行う必要がある。特に最後は重要で、学習者がまったく理解できないほど高度な英語で語り掛けても、意味がないのである。右から左に抜けていくだけならいいが、最悪、学習者に「自分は英語ができないのだ」という劣等感・忌避感を植え付けかねないので、注意する必要がある。

     また、必ずしもオーラル・インタラクションで行う必要があるのではなく、日本語で導入を行うも可であると述べられている。ただしこの場合も、随所に英語を織り交ぜていく必要がある。
    ・音読と文法練習
     文章の意味が分かっても、声に出して発音できなければ、4つの技術を統合しての教育、というものにはならない。そのため音読練習は欠かせないが、その際、文章の意味…ひいては単語や文法を完全に理解させてから、読ませる必要がある。音読はあくまで会話によるコミュニケーションの前段階であり、単に発音が良ければいいというものではない。また、斉読と個人読みは必ず組み合わせねばならない。斉読だとみんな綺麗に言えているのに、個人読みをやるとつっかえつっかえになってしまうというのは、よくある事だからである。

     また、文法練習にしても、ただ文法を覚えればそれで終わり、という訳ではない。もちろん文法を知り、覚えるのも重要だが、実際に英語でコミュニケーションをとれるようにする、というのが英語教育の目的であるからには、覚えた文法を活用できるようにする事こそ重要である。即ち、『”skill-getting”(スキルを獲得するための学習)』だけでなく『”skill-using”(獲得したスキルを活用するための活動)』が重要になるのだ。
    ●第二章
     高校における英語の授業は中学の延長線上にあり、重複する内容については省略する。
    ・高校英語教育科目の再編
     このたびの改訂により、英語科目は再編される事となった。分かりやすい図が文部科学省のHPにあったので、引用する(次頁)。

     図左下にあるOCとはオーラルコミュニケーションを意味する。旧課程においても、「読む」「聞く」「書く」「話す」という4技能を統合して教育する、という目的は一緒であり、英語I/IIはその目的で設置された科目であった。しかし、「書く」を専門的に行うライティング、英会話、つまり「聞く」「話す」を専門的に行うOCの存在があったため、残る「読む」を行うために、英語I/IIは「読む」中心の授業になりがちであった…と、テキストで述べられている。
     リーディングについては、テキストでは言及されていないが、どちらにせよ、「読む」「書く」「聞く・話す」がそれぞれ独立して存在する形であり、統合的な教育は難しい形であったのは間違いないだろう。

     これを打破し、4つの技能を統合して育てる、横断的な課程を作るべく改変されたのが現在の科目編制であり、これは中学とも大きく異なるものである。核となるのは「コミュニケーション英語」であり、「読む」「書く」「話す」「聞く」という4つの技能を、横断的に、総合的に学習する。

     ただし、だからと言って、4つの技能のどれかに重点を置いて授業を進める事自体は否定されない。50分の授業があるとして、復習やまとめを除いて40分を本題に使うとしよう。その40分を、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つに、均等に…即ち10分ずつに分ける必要はない。「読む」を中心とするのでもよいのである。ただし、その場合でも、「読む」に20分、「書く」に10分、「話す」「聞く」に10分…といったように、横断的な内容の授業にする必要がある、という事である。それも、それぞれの時間を完全に分けるのではなく、適度に織り交ぜ、組み合わせるのだ。

     一方、英語表現については、4つの技能でいえば「話す」「書く」部分を中心とした授業である。今までは、『文法や語彙、表現を学習し、それを覚える』(43p)時間が多かった。もちろん、そういった学習がなければ、コミュニケーションは取れない。しかし、そういった知識を基礎とし、実際に英語で話す、もしくは書くという訓練をしなければ、適切なコミュニケーションをとれない事もまた、確かである。そのため、英語表現もまた、「書く」「話す」が中心であるとはいえ、横断的な内容である必要があるのである。ただの「書く」「話す」をやるのではなく、コミュニケーションの中の「書く」「話す」を訓練する、という話であるから、「読む」「聞く」も重要になってくる。先程、コミュニケーション英語だからと言って4つの技能全てを均等にやる必要はなく、どれかに重点を置いてもよいと述べたが、その重点を置くものが「書く」「話す」になるコミュニケーション英語が英語表現である、とも言えるかもしれない。
    ・日本語

     高校での英語科授業は、原則、英語で行うという事にされている。

     だが、何があっても絶対に英語だけで授業しなければならない、という事ではない。重要なのは、学習者に英語を使わせる事、言い換えれば、『いかに生徒に英語を多く使う場面を用意できるか』(41p)である。

    英語で話す、英語で書く、というのだけが英語を使う事ではない。英語を聞いて理解する時も、英語を使っていると言える。英語を聞き取って内容を理解するために、学習者の英語はフル回転しているのだ。だから英語を使って授業するのは、確かに、学習者に英語を使わせる場面を増やす効果がある。

    勿論、だからと言って、学習者の理解が遅れているのに無理に英語で...

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