62哲学概論第4課題

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    人間理性のアンチノミーについて述べよ。

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     人間理性のアンチノミーについて述べよ。
     イマヌエル・カントは18世紀後半のプロイセンの哲学者だが、当時の欧州の哲学思想は人間のあらゆる認識の起源は経験によってのみ求められるとするイギリス経験論と、人間のおこなう認識における理性のはたらきを重視する大陸合理論に二分されていた。カントはこの両派の主張を極限にまで徹底させると、互いに矛盾対立しながら同等の根拠により同時に成立するアンチノミー(二律背反)が生じることを洞察した。一方の肯定的主張を定立(テーゼ)、他方の否定的主張を反定立(アンチテーゼ)と呼び、両方の主張の根拠を吟味し共に正当であると判断するのは同一の人間理性であるため、アンチノミーが成立するということは人間理性が自己矛盾に陥ることを意味する。カントが『純粋理性批判』で提示したアンチノミーは四組だが、第一アンチノミーの定立は「世界は時間的な始まりをもつ」「世界は空間的に有限である」、反定立は「世界は時間的な始まりをもたず、永遠の昔から存在する」「世界は空間的に無限である」であり、第三アンチノミーの定立は「世界には自由による原因性が存在する」「世界には自由は存在せず、すべてのでき...

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