医療系大学の看護倫理に関するレポートです。身体拘束を例に看護倫理を記述しています。もらった評価はAです。この程度でいいのです。数年経過しているため、レポートによっては古い考えになっているものもあるかもしれません。あくまでも参考にされて、肉づけを行ってくださいね。
人権とケアについて
医療技術が発達するにつれてますます、「人権」との関わり合いが重要視されてきている。人権とケアについて、「身体拘束」という問題を取り上げ、その面から考えていく。
身体拘束は、医療や看護における援助技術の一つとして、手術後の患者や知的障害患者の治療におき、安全を確保する点からやむを得ないものとして行われてきている。高齢者ケアの場でも、同様に、高齢者の転倒・転落防止などを理由に行われてきた。
身体拘束は患者の権利、「すべて人は、身体および精神の不可侵性の権利及び身体安全を保障される権利を有する。」を侵している。また、人権の観点からの問題だけでなく、高齢者のQOLの質を根本から損なう危険性がある。身体拘束により、高齢者の身体機能は低下し、寝たきりにつながる恐れがあるのだ。そして、人間としての尊厳も侵され、時には死期を早めることも生じかねない。
身体拘束は、身体的・精神的・社会的弊害といった弊害をもたらす。精神的弊害に関して例を挙げると、患者本人に不安や怒り、屈辱、あきらめといった大きな精神的苦痛を与え、そして人間としての尊厳を侵す。患者本人だけではなく、家族にも大きな精...