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中国の書論として『書譜』、日本の書論として『夜鶴庭訓抄』・『入木抄』などを、現代語訳も参考にして熟読し、共通点と相違点を述べなさい。
『夜鶴庭訓抄』を書いた藤原伊行は、権蹟藤原行成の子孫で、平安時代後期の人である。『夜鶴庭訓抄』は伊行が息女である建礼門院右京大夫のために書いて与えたもので、その完成された和様本は、平安王朝の書道を育み拡大していくための支えとなった。「夜鶴」とは、子を思う親の愛情を示す故事で、「庭訓」とは、庭の訓、つまり家庭の教えのことである。行成の子孫である世尊寺家は、代々手書きが輩出したので、書の重代として尊重され、代々朝廷の書役を勤めていた。つまり世尊寺家で最も大切なことは、朝廷の書役を勤める際に心得ておかなければならない故実ということになる。しかし、それは通常は男子にのみ伝え、女子に伝える必要はない。だが、女子は冊子本に和歌(かな)を書かなければならないことがあった。そのため、『夜鶴庭訓抄』には、冊子本の書き方とか、和歌の書き方、写経の書き方などについて書かれている。冊子本の書き方については、第一丁の裏から書き始めることが世尊寺家の「家の習い」になっている、という...