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孫過庭の『書譜』の中で「書作は本来どのようにあるべき」と語っているかを詳述しなさい。
『書譜』は、唐の孫過庭が著した書論で、草書で書かれた筆跡が現在も台北の故宮博物院に伝わっている。王羲之書法を尊ぶ立場をとっているが、その筆跡も、王羲之の神髄を得たすばらしいもので、理論と実践が合致した名品である。西林昭一氏によれば、その全体の内容から『書論』は二巻六編に分かれており、各編の趣旨について第一編「王羲之を典型とする四賢の優劣論」、第二編「書の本質と価値」、第三編「六朝以来の書論」、第四編「執使用転の説および王朝の価値」、第五編「書表現の基盤と段階」、第六編「書の妙境と批判」とされている。
世に存在する書論のほとんどは、「読めばすぐにいい字が書けるようになる」といった類のものではない。書論とは本来、書の本質を論じるものであるから、ハウツー本のような役割を期待しても無理なのである。ただ、孫過庭の『書譜』は、実作者の書論であるため、豊富な経験に裏打ちされた論が展開されており、実践の中で体得した事柄が多く含まれていることから、実作者の参考になるという点では、これ以上のものはない。
特に第二編で...