民法総則の取消しうべき行為の追認について、約2000字で論じています
民法総則~取消しうべき行為の追認について
(1)意義
取り消すことができる行為を取消権者が確定的に有効とする意思表示が追認である。いったん追認が行われると、以後取消はできない。追認を取消権の放棄とみるのが通説である。ただし、取り消すことができる行為の効力を確定する意思表示と解する説もある。いずれの説によっても、結果は異ならない。
民法120条によれば、制限行為能力者の行為や、詐欺・強迫による意思表示の場合、取り消すことができるとされていて、主としてここに追認の問題が生じる。
なお、法律的に追認したものとみなされる法定追認事由とされる行為として、民法125条において、全部または一部の履行、履行の請求、更改、担保の供与、取り消すことができる行為によって取得した権利の全部または一部の譲渡、強制執行が挙げられている。法定追認については、行為者が追認の意思を有していたか否か、取消原因を知っていたか否かを問わず、追認とみなされる。
(2)要件
①追認権者
民法122条によれば、追認権者は取消権者と同じであるとされている。
ただし、民法20条4項によると、制限行為能力者のう...