近畿大学通信教育部の憲法のレポートです。①新しい人権について②日本国憲法成立の経緯と問題点、の2課題についてそれぞれ約2000字で論じています
憲法
1.いわゆる新しい人権について
新しい人権とは、憲法制定時に明文規定がなかったものの、社会の変化に伴って認める必要性が高まって来た人権のことである。通説では、明文規定がなくても、憲法13条の幸福追求権を根拠に新しい人権を保障する立場が有力である。
新しい人権の内容として判例が明確に認めたものの一つに、プライバシー権がある。プライバシー権とは、当初私生活に干渉されない権利として観念されていたが、その後私的な生活領域における自己決定権を含む意味で使用されるようになり、さらに自己の情報をコントロールする権利としての側面が重視されるようになった。
「宴のあと」事件においては、「個人尊厳の思想は正当な理由を欠く他人の私事の公開を禁ずるから、私生活をみだりに公開されないという意味でのプライバシーは一つの権利と呼ぶことができるが、その侵害に対して法的救済が与えられるのは、公開された内容が、私生活上の事実または事実らしく受け取られるおそれがあり、一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合公開を欲しないであろうと認められ、かつ一般的に未だ知られていない事柄であることを必要とす...