法学MAの最終試験の合格レポートです。
A評価を頂きました。
※あくまでも参考程度にご利用ください。
法学MA 最終試験
【問題】
刑法199条から行動規範となる部分を引き出した上で、法と道徳の関係について論じなさい。
参考:刑法199条
「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以内の懲役に処する。」
解答文字数1000字以上2000字以内で提出すること。
刑法199条は「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。」であるが、「人を殺してはならない」という殺人を禁止する行動規範を内容とするものである。刑法は、この規範により殺人行為がしてはならない行為であるとする(法の立場からの)評価を明らかにし、国民すなわち規範の名宛人に対し殺人行為を行わないよう呼びかけている。しかし、刑法199条には「人を殺してはならない」と明確に書かれているわけではない。この規範は、直接に殺人罪という犯罪の要件とこれに対する刑の内容を定めているに過ぎないが、それは裁判官に対し、いかなる行為が犯罪であり、いかなる刑を科すべきかを示したもの、そういった意味での裁判規範である。刑法は「人を殺してはならない」という国民に向けられた行為規範の存在を暗黙の前提として、国民に守らせるために行為を犯罪とし...