日大通信 美術史(科目コード:B11400)分冊2の合格レポートです。(平成27・28年度の課題報告です。)
スクーリング併用で、S評価を頂きました。
資料の最後に参考文献も記載してます。
※丸写しはせず、あくまでも参考レポートとしてご利用下さい。
①鎌倉時代の彫刻
奈良・平安時代に建てられた寺の多くは治承四(一一八〇)年の源平の戦いにより、ほとんどが焼かれたが鎌倉時代に入り、寺の復興が盛んに行われた。そして、復興した寺には沢山の仏像が必要となり、康慶・運慶・湛慶・康弁・快慶・定慶などの仏師(彫刻家)が現れた。彼らは平安時代末期から江戸時代に活躍した一派であり、慶と名がつく仏師が世に輩出したことから慶派と呼ばれており、円派・院派に続く仏師の三大流派のひとつである。慶派の中でも、運慶は鎌倉時代で最も優れた彫刻家であり、貴族社会から武士社会へ政権が移った鎌倉時代を表現するように力強く活き活きとした木彫の彫刻の数々を作成した。
また、東大寺南大門金剛力士像は鎌倉時代で最も有名な運慶と快慶の代表作である。この二像は、約三千もの寄木造りで組み合わさっており、阿形は足や腕の筋肉の動きが激しく、吽形の方は体の動きが安定しており、繊細さと優美さを表現している。東大寺南大門金剛力士像は後世に伝わった仁王像の手本とされ、多くが運慶作といわれるようになり、他にも天燈鬼像、竜品燈鬼像、無著像、世親像や京都の三十三間堂にある仏像などは鎌倉時代の代表的な...