<歴史学分冊2>日本大学通信2018-17年度

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    資料紹介

    講評:オスマン時代から説き始め、ケマルの「世俗化」政策とその核となる国民経済づくりに至るまでがよく説明されていると思います。また「時代」背景、「地域」特性を考えようとする視点も、確認できるリポートとなっています。全体として、第一次世界大戦期の大混乱の渦中にあった中東のトルコが自立に向けて進む様子がよく説明されていたと思います。優れたリポートです。

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    課題:通信教育教材「歴史学(第4~8部)」から時代及び地域から共通する1~2名の人物を選び、彼ら
    の生きたところの時代概観及び地域のあり方を論述しなさい。なお、リポートのはじめに、選択した人物名・
    地域名・時代を明記すること。
    「ムスタファ・ケマル(アタテュルク)/トルコ・近代史」
    トルコ共和国は、信仰宗教の9割以上がイスラム教徒の国だ。ともなれば、イスラム根幹の「六信五行」の
    下、女性はスカーフで肌を隠し、男性はターバン、娯楽・遊興は法度、飲酒や豚肉他、一部食材の飲食禁止等、
    中東諸国と同様に厳しい戒律を遵守するイメージだが、実際には先進国を思わせる自由な装いや繁華街、昼夜
    の外出外泊も自由、店舗出店規制も殆ど無い。また、宗教・宗派間対立や混乱も聞かれず、まさに「イスラム
    らしくないイスラム教徒の国」と称される。そこには共和国が、かつてのオスマン帝国の様な宗教国家ではな
    く政教分離し、民主的で「世俗的」な社会的法治国家(憲法3条)を掲げ、且つ、この「世俗国家」の原則は
    不変(憲法4条)と宣言したからだ。かつての 600 年以上続いた巨大宗教帝国は解体、政教分離に転換した共
    和国建...

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