イギリス文学史Ⅱのレポートです。課題によってよく理解できていますとの評価をいただいています。 参考になれば幸いです。自己責任の範囲でのご使用をお願いいたします。
ヴィクトリア朝時代は政治・経済・思想・日常生活において大きく変化した時代である。イギリスの国威が最も隆盛を見た時代であったものの「飢餓の40年代」と言われる飢饉や、急進的社会政治改革運動である「チャーティスト運動」が起きた。産業革命の発展の裏側には労働者階級にとって「残酷の30年代」といわれる惨めな状況にあったのである。その一方で資本主義経済の確立の為に帝国主義的政策を推進しアメリカ・カナダ・インド・アフリカ・中国などを搾取の対象とした。それにより「アヘン戦争」や「クリミア戦争」が勃発するなど、経済の側面から見ても混沌とした時代であるといえる。社会的にも功利主義・物質主義といった思想が台頭し、更にダーウィン(Charles Robert Darwin, 1809-82)の『種の起源』(”On the Origin of Species by Means of Natural Selection”,1859)によりキリスト教信仰が揺らぐことになると同時に、適者生存・弱肉強食といった理論が資本主義の機運を一層高めることとなる。こうした中でヴィクトリア朝時代の思潮であったヴィクトリアニズム(...