2017年 佛教大学 米文学研究の第二設題レポートです。
『グレート・ギャツビー』とその時代背景について、作品から具体例を引用しながら、あなたの考えを述べなさい。
『グレート・ギャツビー』とその時代背景について、作品から具体例を引用しながら、あなたの考えを述べなさい。
『グレート・ギャツビー』はアメリカの一つの時代を象徴した小説とも言われる。当時のアメリカは第一世界大戦後、空前絶後の好景気であった。そして、好景気になれば、贅沢をしたくなるのが人々の心情である。どの時代も若者は既存の自らの自由を縛る制度に反発し、新しい文化の担い手となる。特に、経済力をつけた若者は質素倹約する必要はなく、自らの思い通りに活動する。日本においても、大正時代に好景気の影響で「モダン・ボーイ」「モダン・ガール」といった新しい若者が登場したし、バブル景気時代においては、「ボディコン」や女性優位の恋愛を示した「アッシー」や「メッシ―」と言葉が流行した。いずれも好景気を前提とした既存の文化の視点から見れば、「風俗の乱れ」といった現象が起こっているが、アメリカでもそのような現象は起こったのである。それらのことを『グレート・ギャツビー』において分析してみたい。また、翻訳は野崎孝訳を使用する。
まず初めに、フェミニズムの視点から見ていきたい。『グレート・ギャツビー』には「デイジ...