参考文献
短編女性文学現代 今井泰子 おうふう 1993年11月30日
第1課題 第1設題
本論文は、「山姥の微笑」より作家と作品について女性像に注目して論ずることを目的とする。
作者は「性の幻想」(昭和64)の中で、<芸術とは、結局、現実認識にあるわけですね。現実をいかに認識したかということで、その作家は作品を創りはじめることができるわけです>と語っている。つまりこの作品を読み解くことは、大庭みな子氏の当時の現実認識がどうであったか、女性というものをどう考えていたかを理解することに直結するものと考えられる。
本作品は山姥という古典的でしかも幻想的な題材にも関わらず、内容は現実の、それも現代的な女性の一生とその内面を端的に描いた作品となっている。つまりこの作...