2016年度シラバス
【設題文】
法の下の平等について
【参考教科書】
伊藤正巳著(2006)『憲法入門[第4版補訂版]』有斐閣双書.
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レポートの丸写しには厳重な処罰がくだされる為、
教科書と同時に読み進めながらレポートを作成することをお勧めいたします。
法の下の平等について
1. 序論
日本国憲法は,以下の条文といくつかの平等規定(24,26,44条)によって,一般原則として法の下の平等を保障しており,憲法14条1項では「すべての国民は,法の下に平等であって,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。」と示されている。また,同条2項では貴族制度を禁止しており,3項では栄誉,勲章その他の栄典の授与による特権,および授与による効力の世襲を禁止している。このような近代憲法の根本原則ともいえる人間平等の原理は,中世ヨーロッパの「神の前の平等」というキリスト教の近代的宗教思想の広まりから,近世の合理的自然法の観念と結びつき,国家思想として発展してきた。日本における平等権は,明治憲法でも無視はされていなかったが,華族の特権や男女不平等が目立ち,平等原則は充分に表現されてはいなかった。これを背景として,平等権の確保は中世の封建的身分制などを打破する原動力となったといえる。
しかし,憲法における平等権の保障は,「法的取扱において差別しないという,いわば形式的な面におけるものであり,現代社会におけ...