佛教大学通信教育課程「哲学入門」の『第1設題:全6章のうち、一つの章を選んで、まずその内容を正確に要約せよ(1,600字ほど)。その上で、自分が疑問に思うこと、批判すべきだと思う点を詳述せよ。』の設題で『第3章「瞬間と創造」』を選びました。そのレポートです。第1、第2設題それぞれのレポート評価はいずれも「A」でした。ご参考になれば幸いです。
全6章のうち、一つの章を選んで(第1設題以外のもの)、まずその内容を正確に要約せよ(1,600字ほど)。その上で、自分が疑問に思うこと、批判すべきだと思う点を詳述せよ。
第3章「瞬間と創造」加國尚志 要約
デカルトの「われ思う故にわれ在り」という考え方が、瞬間瞬間の連続的な「創造」という形而上学的概念を背景にしていることから、「連続」の問題を「私」と「時間」の観点から考える。
「省察」においてデカルトは、疑わしいものは全て退け、確実なものを求めるための懐疑に「誇張的懐疑」と「方法的懐疑」を行う。確実なものは何もないと疑っている私の存在が確実なのであり、それによって「私は存在する」と考える。考える間、私は存在するのであり、考えを止めた時点で在ることをやめてしまうのである。「私」「今ここ」ということは、意識が何ものかを意識しているということを意識するという反省的意識の再帰性をともなうことであり、意識主体の存在の確実性に基づき知識の確実性、認識の対象を構成する可能性を構築する。そして外界に関する私たちの知識が成立する場合の拠り所に「考える私」の存在が語られるのである。「考える私」は直感的...