従来の知識伝達を重視した授業の設計と評価に対して主体的な学習を基本とする授業について設計と評価の特徴を比較し、その比較の視点毎にまとめて授業設計ならびに評価についての留意点を述べよ。
序章
教育は常に過渡期にある。科学技術は技術の上にさらに改良された技術が積み重なって進展していくものだが、教育分野は時には初めに立ち戻ることさえある。学習指導要領がめざす育成すべき子どもの能力が時代背景と共に動いてきたように、教育の目的・目標は常に時代背景に品弄されてきている。しかし、本質は社会を生きる人間の形成に変わりない。
本論文では、従来の知識伝達を重視した授業の設計と評価に対して、主体的な学習を基本とする授業について設計と評価の特徴を比較し、その比較の視点毎にまとめて授業設計と評価の留意点について論述することとする。
第1章:授業設計
設計とは、自分が実現したいと思い描いた時点から、それが実現するように頭の中で概念を操作していく過程である。授業設計については設計し、実施し、評価することが教師個人に留まってきたので、経験を組織的に蓄積することがなく、授業設計の専門性は進歩していない。授業は...