評価はBでした。
【参考資料】
・加藤尚武「現代倫理学入門」<講談社 1997.2>
・田上孝一「本当にわかる倫理学」<日本実業出版社 2010.11>
・赤林朗/児玉聡「入門・倫理学」<勁草書房 2018.1>
・児玉聡「功利主義入門ーはじめての倫理学」<筑摩書房 2012.7>
・松嶋孰茂「功利主義は生き残るか」<勁草書房 2005.5>
・カタジナ・デ・ザラリ=ラデク「功利主義とは何か」<岩波書房 2018.11>
人は生まれた以上幸福に生きていきたいものである。幸福主義とは何かの行為を「善い」と「悪い」と評価する際に行為の帰結を重視し、その行為が人々の幸福に与える影響を重んじた思想である。その中で幸福主義を広く他者の幸福までも求める観点で考える思想である功利主義について説明する。
功利主義の特徴の1つ目に帰結主義があげられる。帰結とは結果の事である。結果論と混同して考えられがちだが、決して結果論ではない。帰結主義の特徴は「Aを選ぶとこういう結果になるであろう。」という予測に基づき、行為が正しい事を評価するものだからである。決して事後を評価する結果論ではないのである。
2つ目に前述でも述べた様に幸福主義である。幸福主義は自由や真理にも価値を認め、それらが人々の幸福を増進するからだと考える。快が増える事が善いものであり、幸福である。苦痛や不快は悪いものであり、苦痛や不快を減らすような行為が正しい事、幸福に繋がると考える。
3つ目に総和最大化という考え方である。功利主義は一個人の幸福を最大化しようとするのではなく、人々の幸福を総和する考えである。掛け算などではなく、単純に足し算して最大になるようにし...