日本大学通信
現代教育論レポート課題(平成25年より平成27年適用)
「1998年に教育職員免許法の改定が行われた。その改定がすすめられた背景について簡単に説明し、改定された教育職員免許法(施行規則)にこめられた「教師が身につけて
おくべき資質・能力」とは何かについて論じなさい。
(講評)
必要な内容について適切に整理され、まとめ部分までしっかりと構成されているレポートだと思います。
レポート構成は、
①1998年教育教員免許法の改定における背景について
②教育教員免許法の改定について
「新たな時代に向けた教員養成の改善について」
③②の内容を踏まえて「教師に求められる資質能力について」の考察
と三部構成となっています。
日本大学通信大学のレポート課題ではありますが、教師を目指す方にとって、「現代教職論」は必須科目であり、特に教職分野においては、「教師が身につけておくべき資質・能力とは何かについて論じなさい。」との内容での課題や試験問題が出題される確率は高いと思われます。
三部に構成されていますので、必要な箇所の参考資料としても活用していただけたらと思います。
1998年に教育教員免許改正の背景には、当時の社会問題や教育問題が大きく関与していたと言って過言はない。社会問題に取り挙げられるのは、バブル崩壊後の経済停滞・中高年のリストラ(解雇)における失業率の増加や自殺率の増加である。中高年のリストラにより夫婦間や家族関係に歪みが生じ、家庭崩壊をも引き起こす負の連鎖が蔓延した社会であったと考える。また、教育問題では不登校やひきこもりが深刻化し、いじめの苦しみから自殺する児童生徒数の増加も顕著であった。更に少年犯罪(オヤジ狩り)の低年齢化や中高女子生徒の援助交際等の非行件数も増加していた。また、著しい情報化の進展やマスメディアの発達によりあらゆる情報を瞬時に且つ簡単に入手できる一方で、直接体験が失われ人間関係の稀薄化が進み、社会性やコミュニケーション能力の欠如といった問題も浮上していた。こうした社会状況の下で、教育現場では、様々な問題を抱える児童生徒に柔軟に対応できる教師の資質や能力が問われることになった。教師の資質向上を求める動きは1980年以降から「教育者としての使命感と実践的指導」という教育政策として重要視されてきたものであった。新しい時代で...