2017年度にB評価で合格したレポートです。
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勢力均衡論とはどういった概念であるのか、ウェストファリア体制成立前後から第一次世界大戦までの期間における欧州国際政治の例を用いて述べよ。
勢力均衡論とは、バランス型の国際秩序モデルことであり、近代以降の国際秩序を維持するために国家間の軍事力に一定の等質性を与えることにより、突出した脅威が生み出されることを抑制し、地域不安や紛争の誘因を低下や原因を抑制させることを目的として考案された。勢力均衡の基礎となったのは、ウェストファリア条約によりもたらされたウェストファリア体制が始まりであるとされる。ここでは、ウェストファリア体制から第一次世界大戦までの欧州国際政治史を追いながら記述していく。
16世紀のヨーロッパでは神聖ローマ帝国に300以上の領邦が存在し、これらを統治する領主は王侯たちで構成されていた。また、一人の領主が複数の領邦を治めることも稀ではなかった。中世ヨーロッパにおいてはキリスト教に基づいた共同体であり、人々の生活は教会によって支配を受けていた。キリスト教は人々の生活から王侯たちの政治や外交にまで影響力を持ち、領主たちには主権は保障されていなかった。人種血統の同一性や言語の共...