2017年度B判定のリポートです。リポート作成の参考にご活用ください。
50年に及ぶ戦後の同和教育史を概括すること。また、人権(同和)教育の意義と学校における人権(同和)学習のあり方を具体的に論述すること。
はじめに
同和教育とは同和問題を解決するための教育の営みの総称である(後藤・萩本・井川,2013:1)。同和問題とは、日本社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分階層構造に基づく差別により、日本国民の一部の人々が長い間、経済的、社会的、文化的に低位の状態を強いられ、日常生活の上で様々な差別を受けるなど、日本固有の重大な人権問題である(法務省,2016)。このような同和問題は基本的人権の尊重を原則とする日本国憲法が施行されてから70年が過ぎた現在でも完全に解決されたとは言えず、同和問題の歴史に対する正しい理解を怠れば、また新たな差別を生み出しかねないという状況にある。そのため、同和教育に対する継続的、発展的な取り組みが今なお求められている。このリポートでは、50年に及ぶ戦後の同和教育史を概括した後、人権(同和)教育の意義を明らかにし、学校における人権(同和)学習のあり方について考察する。
戦後の同和教育史
1945年の終戦後間もなく、1947年に基本...