2017年度A判定のリポートです。リポート作成の参考にご活用ください。
アメリカン・ルネッサンスについて、具体的な作家、及びその作品名を挙げて論じなさい。
アメリカン・ルネッサンスとは、F・Oマシーセンの『アメリカン・ルネッサンス―エマソンとホイットマンの時代の芸術と表現』によって一般化した用語である。マシーセンは1850年から55年の間にニューイングランドに、エマソンの『代表的人間』、ホーソーンの『緋文字』と『七破風の家』、メルヴィルの『白鯨』と『ピエール』、ソローの『ウォールデン』、ホイットマンの『草の葉』などが集中して生まれたことを指摘し、この時期を「アメリカン・ルネッサンス」と名付けた。しかし、現在では1830年代から南北戦争が終結した1865年までのイギリス文学の影響を抜け出し、アメリカ独自の文学作品を多く生み出したアメリカ文学最初の隆盛期を指す場合が多い。
このアメリカン・ルネッサンスの時代に中心となったのは「コンコードの哲人」と呼ばれたエマソンである。エマソンの『自然論』には真理は経験を越えた直感によって把握されるとする彼の超絶主義の中心思想が述べられている。彼は西洋文明の伝統からもアメリカ宗教の伝統からも自己信頼によって独立できると説き...