国際法レポート
強行規範とは何か。具体例を用いながら、その機能と法的問題について論ぜよ。
現在、世界の国々・地球上の人々は緊密な関係が結ばれており、どのような国もそこに住む人々も外の世界から孤立してあることはできない。私たちは、朝起きてから寝るまで、衣食住の日常生活、経済活動、文化などをさまざまな形で国境を越えた世界的なつながりの中で暮らしている。このようなつながりが突然絶たれれば、私たちの暮らしは困難に直面する。そのため、国同士の交流が円滑に行われるように、一定の規範として、国際法と各国の国内法が制定されているのである。
現代の国際法には、どのような効力関係にも優越する絶対的な規範である「強行規範」が存在すると考えられている。国際法の主要な成立形式である慣習国際法と条約の効力関係には「特別法は一般法を破る」の原則が適用される。つまり、原則として一般効力をもつ慣習国際法に対し、当事国のみに効力を有する条約が優位に立つ。しかし、慣習国際法として成立した規範が強行規範の場合は、強行規範が優位に立つ。条約法条約第53条は、国際法上の強行規範について次のように規定している。「締結の時に...