日本大学通信教育部 哲学基礎講読 課題1(2019~2022年度)の合格レポートです。 本レポートは参考程度とし、ご使用は自己責任でお願いいたします。丸写しなどはご遠慮ください。
日本大学通信教育部 2019~2022年度
哲学基礎講読 分冊1
課題1:
教科書所収アルノー、二コル共著『論理学、別名思考の技法』(分冊1)における「名前の定義」と「事物の定義」について詳述しなさい。尚、論述にあたって、「観念」「原理」といった言葉を用いる場合は必ず本文を踏まえた説明を加えるようにして下さい(第一部「第一章」、「第十一~十三章」)および第二部「第十六章」を参照)。
回答例:
事物を思念する形式である観念は、他のことばで説明できないほどはっきりした、最も明晰で単純なものである。観念に関する誤った解釈は、想像という、私達の思考をイメージに一致させるというかたちで事物を思い描く仕方による。この誤解釈は、私達が物体的事物のみ考えることに慣れているためで、物体的イメージで表象できなければ事物を理解できない、と信じていることによる。物体的事物を考えるとき、想像力を用いる習慣が対象を混乱した形で私達に思い懐かせることがある。正確には想像できないが、論証により明晰判明な理解が可能である。想像と理解は異なるはたらきであり、非常に明晰に理解するいくつかの事物を考察するなら、...