ジェンダー社会学のレポートです。ジェンダー論について独特の観点から論じてみました。西洋思想におけるジェンダー表象の観点から、プラトンにはじまりカストラートの歴史、そして近世日本における水戸学などにも触れて思想横断的に思索した文章です。
性 別 ( セ ッ ク ス ) は 生 物 学 的 性 差 で あ る の に 対 し 、 ジ ェ ン ダ ー と
は 社 会 的 / 文 化 的 な 性 差 で あ る 。 か つ て プ ラ ト ン は 『 饗 宴 』 の 中 で 、
男 女 と も 「 完 全 な 身 体 」 か ら 分 か れ た 相 補 的 な 存 在 と い う 見 方 を 呈
示 し た が 、 ア リ ス ト テ レ ス 以 降 、 女 性 を 「 不 完 全 な 男 性 」 と す る 見
方 が 西 欧 の 伝 統 と な っ た 。
近 代 以 降 も 、 フ ロ イ ト の 「 去 勢 コ ン プ レ ッ ク ス 」 の よ う に 、 女 性
を 「 欠 如 し た 存 在 」 と み な す 見 方 は 継 承 さ れ た 。 あ る い は フ ラ ン ス
近 代 文 学 を 確 立 し た オ ノ レ ・ ド ・ バ ル ザ ッ ク の 短 編 小 説 『 サ ラ ジ ー
ヌ 』 で は 、 ザ ン ビ ネ ッ ラ と い う カ ス ト ラ ー ト (...