地理学Ⅱ合格レポート(慶應通信2017年度課題)

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    地理学Ⅱ(地誌学)

     地図というメディアについて論じる前に、まず「メディア」とは何なのかという点と、そして地図がなぜメディアと言えるのか、という点を明らかにしておきたいと思う。

     「メディア」という言葉からまず連想されるのは、新聞や雑誌、テレビなどのいわゆる「マスメディア」である。だが、メディアは必ずしもマスメディアだけを意味するものではない。メディアという語はしばしば「媒体」と訳されるように、何かと何かを媒介するもの、繋げるものという意味がある。身近な例を挙げると、例えば文字はそれを記した者の意図を読み手に伝えるという意味で書き手と読み手を媒介しているし、会話も話し手の意図を聞き手に伝達するという意味では同じである。即ちメディアとは発信者と受信者との間での何らかの情報のやり取りを媒介するという性質を持っている。マスメディアはその「発信者と受信者との媒介」を大規模に行えるので「マス」という語が付されているのである。

     そうすると、「地図も一種のメディアである」という場合、地図はそれを作る者と地図を読む者との間を媒介しつつ、何らかの情報を伝える役目を背負っているということになる。で...

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