自分なりに教科書をまとめました。
2017年度に受験したものになりますので、2018年度につきましては、シラバス等でご確認ください。
①ソクラテス的対話(産婆術)について述べ、ソクラテスの教育学的意義について考察せよ。
ソクラテスは人間の能力は有限的なもので、知に関しては謙虚でなくてはならないとした。自分の知らないことは自分の無知を自覚し、同時に「真の知」への探求を怠らなかった。真の知に対する欲求こそが『哲学』である。ソクラテスの言う「真の知」とは単に理論的知識、技術的知識、専門的知識ではなく、実践的知識を意味している。それは専門的知識を含めたあらゆる人間的行為を導く高次の知識、善悪を的確に判断し、我々の行為を正しく導く知識、「善の知識」が必要である。善の知識を持っている人こそが徳を備えた人である。
真の知を獲得するためには、他人とともに研究することが重要である。対話し合うことが知への近道である。この対話術は産婆術(助産術)と呼ばれている。産婆が妊婦に子供を産ますのを助けるのと同様に、教師の役割は、学習者自身が真の知を産み出すのを助けることである。知の創造を出産に喩えて、学習者を知の生産者、教師を産婆役に位置付けている。全ての人は生まれながらに道徳的に善悪を判断する能力を有している。この能力を一人一人が自分で伸ば...