ストレスの概念・理論を理解し、ストレス反応の個人差や
心理的反応について述べなさい。最後に、ストレスマネジメント対策について論じなさい。
「ストレス」という用語は、日々の暮らしのなかで流行語のように用いられ、生活のなかのさまざまな悩みごと全般を指す意味として受け止められる言葉である。
ネコによる動物実験から、ストレスを説明したのは、生理学者のキャノンであり、1939年にストレスという用語を頻繁に用いて「恒常性維持」「緊急反応説」「闘争一逃走反応」という概念を示し、後のストレス研究に多大な影響を与えてきた。
1940年にカナダの医師セリエは「一般適応症候群」と名づけ、これが後年「ストレス」という初めて心理学の領域で使用された用語となる。セリエの学説では、外界からの悪性刺激をストレッサーととらえ、それへの生体の変化や反応を「適応」というメカニズムでとらえている点が特徴である。
1967年に、ホームズとレイは、生活上の出来事と疾病との関連性について明らかにするため、人生の出来事が私たちの心身に影響を与えるというライフイベントの理論を示し、その後、多くのストレス理論が構築されるきっかけを作った。
ストレスが持続すると一般的に身体的な症状として現れることが多く、ストレスと関連していることがわかる。ところが、同じストレスに...