特別活動における音楽の取り組みについて叙述する。
まず、特別活動における音楽の取り組みの意義について述べる。特別活動は「学級活動」「学校行事」「児童会活動」「クラブ活動」で内容が構成される。これら特別活動の様々な場面で歌や器楽合奏などが取り組まれている。特別活動において育みたいとされている「感性」「情操」「個性」といった学習者の主観に依拠する豊かな人間性は、日々の生活の中でさまざまな経験を積むことが必要であり、これらは螺旋状に発達する。つまり、さまざまな事象と統合的に結びつき、「感性」や「個性」はより豊かに発達していくということである。児童自身も無意識の内に「情操」として定着していることもある。音楽は、対他的な存在との関わりを意識し、集団活動の中で相対的な自己の立場を理屈ではなく感性で体得していくという役割を有する。音楽は児童の感覚に訴えかけ、さまざまな経験とセットで深く記憶に残る。なぜなら、私たちの経験は常に聴覚を含めた五感で感じ取ったものと同時に、処理され統合された記憶として脳に刻まれるのである。それだけ児童にとって、集団への連帯感・帰属意識を高める効果が音楽にはあるのである。つ...