資料:2件
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1-10電磁誘導
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電磁誘導
電気で磁場が作れるのなら磁場で電気が起こせるはずだ
レンツの法則
ファラデーは、電流で磁気が発生するならばその逆もあるはずだと考えて実験を始めたと聞く。 小さな頃この話を聞いて、どうしてそういう発想ができたのだろうと、とても感心したものだ。 しかしファラデーの実験結果を要約したのはレンツであって、レンツの法則と呼ばれている。
レンツの法則
コイルに発生する起電力はコイルを貫く磁力線の変化に比例する。 その起電力によって発生する電流の向きは、磁力線の変化を妨げるような向きである。
コイルというのは導線を輪にしたものだ。 その輪の中をくぐる磁力線の本数の変化によって起電力が生じるのだと言う。 さらにこれを数式で表現したのはノイマンなのだそうだ。
は起電力を表しており、 は磁力線束、つまり磁束を表している。 もっと分かりやすく言えば、コイルの輪の中を通る磁力線の本数のことだ。 比例定数 k は後に1になることが分かるのだが、それがはっきりするまではこのまま残しておくことにする。
細かいことにこだわらなければこれを変形して場の形式で表現するのは簡単である。 起電力 はコイルの道筋に沿って電場を線積分することによって
と書ける。 また、コイルの内側を通る磁束は、コイルの道筋を縁とする面について積分することで、
と表せる。 磁場については div B = 0 というガウスの法則が成り立っていることがすでに示されているので、磁力線は途中で勝手に途切れたりしない。 つまり縁さえ決めてやれば、どんな形の面を考えて面積分しても結果は同じ値であることが保証されている。
これらの表現を使えばノイマンが作った式は
と書くこともできるだろう。 この左辺にストークスの定理を適用して rot を使った面積分に変換すれば、
となり、両辺とも面積分で表す事ができる。 これにより、
とまとめた形で書くことができるのである。 さて、ここまではコイルの存在を頭において考えてきた。 しかしファラデーの思想は、そこにたまたまコイルが置いてあるから起電力が観測されるのであって、何もない場合にも電場はそこにもとから存在するのだというものである。 つまり、コイルの存在に関わらず、任意の空間で上の式が成り立つということだ。 よって、
が成り立っていると考えられる。 後は k = 1 であることさえ言えれば、
であり、これがマクスウェルの方程式の内の一つ、「ファラデーの誘導法則」と呼ばれる式である。
定数 k はなぜ1なのか
これから定数 k が1になる理由を説明しよう。 しかしそれは先ほど求めた結果から説明するのではなく、もう一度レンツの法則に戻って別解釈でもう一つの式を作ることで行う。
先ほどは「起電力はコイルを貫く磁力線の変化に比例する」という表現から出発して、なんとなく止まっているコイルを考えて、磁場の方が変化したのだろうと想像して計算を行った。 しかしレンツの法則は逆のことも意味しているのである。 つまり磁場が変化しない状況でコイルが移動した結果、コイル内を貫く磁力線束の大きさが変化したような場合にも成り立つのである。
その状況を描いたのが次の図である。
2つの輪になった導線が描いてあるが、これらがコイルである。 緑色が移動前のコイルの位置、青色が移動後のコイルの位置を表している。
このコイル上のある微小部分の長さと方向を ds で表しておこう。 この部分が微少時間 dt の間に速度 v で移動することを考える。 微少時間
- 全体公開 2007/12/26
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