需要と供給
需要(じゅよう、英: demand)と供給(きょうきゅう、英:
supply)すなわち、需要および供給の定義から説明すると、
需要とは、個人や企業などの経済主体が、市場において交換・販売を目的として提供されている財
やサービスを購入しようとする(消費)行為であり、供給とは経済主体が市場で交換・販売を目的
とし自己の所有物を提供する(生産)行為である。「需要と供給」は合わせて短縮して需給(じゅ
きゅう)とも呼ばれる。
需要
とくに貨幣などの購買力に裏づけされた需要を「有効需要」という。貨幣経済では、(有効)需要
量は、提供される財・サービスの価格、購入しようとする経済主体の欲望の度合いや所得の程度に
よって決定されてくる。一般には(あくまで一般論としてはであるが)価格が上昇すると需要は減
少する傾向がある。分かりやすく説明すると、価格(値段)が上昇すると経済主体の購入側の「購
買意欲」が下がり、買おうとする行動が減る傾向がある。また、限定品や高級品などの少数品など
に対して独占欲が刺激され、他の商品に対して異常な価格が付いたり、転売ヤーなど転売(独占)
目的によるさらなる価格加熱により、さらなる購買意欲が減少で需要が減る。ということである。
供給
一般的な交換経済の場合は(あくまで一般的な交換経済の場合に限定した話であるが)、取引相手
側が代価として提供するものが高い効用をもつときには、供給する側の供給しようとする意思は強
くなり、結果として供給量は多くなる。分かりやすく説明すると、買い手側が高い値段で買うと分
かっていると、売り手側(商品やサービスを提供する側)は、より多くの財貨を得られる(だろう
)という期待が膨らみ、より多くの財貨が得られるならば、より多くの苦労をすることも「それだ
けの財貨が得られるならば、その苦労も、もっと我慢でき、さらに苦労すれば、それ相応に得られ
るものがある(規模拡大的思考)」や「他者が効率的に財貨を得ているなら、自分達も真似して儲
けよう(新規参入的思考)」などとと考える傾向があり、結果として供給への意思が強くなり、結
果として供給者側の供給のための活動量が増え、実際に供給量が増える傾向がある、ということで
ある。
競争市場では、市場価格は絶対的なものではなく、市場価格や取引数量は需要量の大きさと供給量
の大きさの相対的関係に応じて変動し、そして決まる。
以下で示す需要・供給分析は、ある財(物品)・サービスの市場に注目した分析となるため、部分
均衡分析と呼ばれる。(すべての市場を同時に分析するものを一般均衡分析と呼び、対照的に扱わ
れる。)
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