資料:1件
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排他的経済水域の法制度
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排他的経済水域の法制度
定義
排他的経済水域とは領海の外側に領海の基線から測って200海里までに設定される水域のことを指す(国連海洋法条約55条、57条)。ただし、居住または独自の経済生活を維持することのできない岩に関しては、排他的経済水域または大陸棚を持つことはできない(121条3項)
成立背景
海洋法の歴史は、海は万民の共有物であると考えられていたローマ法の時代まで遡ることができる。中世後期になるとイタリアの都市国家は地中海の各海域に対する領有権を主張するようになった。しかし、17世紀から海洋の自由を説くグロチウスや自国イギリスの海の領有を主張するセルデンなどによるいわゆる海洋論争が活発になったが、18世紀後半までには、海洋は自由な航海の認められる公海と沿岸国の主権が及ぶ領海に二分されるという考えが一般になっていた。
しかしながら何処までが領海で何処からが公海であるか、すなわち領海の幅員に関しては決まった定義がなされないままであった。その後、1958年に第一次国連海洋法会議が開かれ、ジュネーブ海洋法4条約が採択され、領海制度は整備され始めたが、ここでも領海の幅員は未決定のままであった。1960年には第二次国連海洋法会議が開かれたが、やはり領海の幅員の画定は失敗に終わった。
このように領海の幅員画定が困難を極めた原因には、先進国と途上国の対立があった。すなわち、技術の発達が著しい先進国が経済的利益を得るために広い公海を求めたのに対して、途上国はそのような先進国の高い技術力を利用した資源等の収奪を防ぐためにより広い領海を主張したのである。中南米の国の中には、200海里の領海を設定する国も現れたのである。
このような状況において、第二次国連海洋法後、一向に進まない領海の幅員の問題とは別に、自国の領域周辺の経済的利益を確保するため、12海里の漁業水域を設ける国が増加し始めた。この12海里の漁業水域の概念は、1974年のアイスランド漁業管轄事件判決で国際司法裁判所により、慣習法化したとまで認められるに至った。
一方、当時ラテンアメリカ・アフリカ諸国が天然資源の永久的主権に基づいて200海里の経済水域を主張し始めた。1973年から開始された第三次国連海洋法会議において、ケニアの排他的経済水域案をはじめ、200海里の資源管轄権に関する多くの提案の提出がなされ、1974年には排他的経済水域という概念がコンセンサスを得るまでに至った。
結局、この排他的経済水域概念は国連海洋法条約に採り入れられ、1982年に国連海洋条約は採択された。こうした条約の成立によって、排他的経済水域を設定し始める国はさらに増え、慣習法化したと認められるようにまで至ったのである。すなわち、1985年のリビア・マルタ大陸棚事件において国際司法裁判所は、まだ国連海洋法条約が未発効であるにもかかわらず、200海里排他的経済水域の慣習法化を確認したのである。こうして排他的経済水域の概念は形成され、現在では慣習法と認められるようになっているのである。
日本も1994年の国連海洋法条約発効後、1996年6月にこれを批准し、合わせて関連する国内法を制定した。
法的地位とその限界
(1)法的地位とその限界
排他的経済水域において沿岸国は大別して(a)排他的経済水域の上部水域と海底・地価にある天然資源の探査・開発・保存・管理の他、海水・潮流・風によるエネルギー生産など、この海域の経済的な開発と探査のための活動についての主権的権利と、(b)人工島・設備・構築物の設置及び利用、海洋の科学的調査、海洋環
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