魔女狩り
魔女狩り(まじょがり、英:
witch-hunt)は、魔女とされた被疑者に対する訴追、裁判、刑罰、あるいは法的手続を経ない私刑
(リンチ)等の一連の迫害を指す。魔術を使ったと疑われる者を裁いたり制裁を加えたりすること
は古代から行われていた。ヨーロッパ中世末の15世紀には、悪魔と契約してキリスト教社会の破壊
を企む背教者という新種の「魔女」の概念が生まれるとともに、最初の大規模な魔女裁判が興った
。そして初期近代の16世紀後半から17世紀にかけて魔女熱狂とも大迫害時代とも呼ばれる魔女裁判
の最盛期が到来した。
かつて魔女狩りといえば、「12世紀以降キリスト教会の主導によって行われ、数百万人が犠牲にな
った」と言われていたが、現代では「近世の魔女迫害の主たる原動力は教会や世俗権力ではなく民
衆の側にあり、15世紀から18世紀までに全ヨーロッパで推定4万人から6万人が処刑された」と考え
られている。「魔女」とされた者の大半は女性であるが、その一部には男性も含んでおり、例えば
セイラム魔女裁判やベナンダンティ弾圧が挙げられる。また特に北欧では魔女は男性の割合が多い
国があり、様々な社会的、文化的な背景が関係していると考えられている。
魔女狩りとは必ずしも過去の出来事ではなく、現代でもアジアやアフリカを中心に行われている(
詳細は後述)。例えば、インドでは2000年から2019年までに少なくとも2975人が殺害された他、
多くの女性が「魔女」として暴行や追放を受けているという。
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