玉川大学通信教育部「教育原理」第2分冊
2017年レポート課題 (評価B)
<略題>ルソーとケイの人間観・教育観
科目コード07802 「教育原理」第2分冊
ルソーの教育思想は、その後の様々な教育家たちに影響を与え、今日にも通じるものがある。スウェーデンの思想家、エレン・ケイも、ルソーに影響されたひとりであり、「新教育運動」にも大きな影響を与えた人物だ。これから、その2人の著書『エミール』と『児童の世紀』から読み取れる、人間観や教育観をまとめた上で比較し、さらに、それに対する自分の考えを述べていく。
まずルソーの『エミール』について述べていく。この作品は「エミール」の誕生から結婚までが書かれている。冒頭部分では、子供の教育とはどうあるべきか、基本的なことが書かれている。それは次のような内容だ。
人間は、自然や動物など、何でも思い通りにコントロールしようとする生き物である。それは教育に対しても同じであり、他人までも、「好きなようにねじまげ」ようとする[(1)、23頁]。しかしだからといって、教育などしないでも良いというわけではない。むしろそういったことがなければ、「すべてはもっと悪く」なり[(1)、23頁]その人の才能を殺してしまいかねない。ルソーは、現代社会に悪い面があるにせよ、それをうま...