日本大学の国語科教育法1の合格レポートです。平成29-30年度の問題です。
国語科教育法1
国語教材は小説・評論・詩歌・古典など多岐にわたるが、そのジャンルならではの指導法
について、それぞれ述べなさい。
他者とコミュニケーションを図るうえで、言葉は大きな役割を果たす。例えば、意思や
感情を伝えたり、思考や認識を深めたりすることが可能である。母語である日本語の教育、
すなわち「国語教育」は、言語的な知識およびその運用方法を学習する。並びに、国語教
育は「情緒力」「論理的思考力」「思考そのものを支えていく語彙力」など、変化の激しい
社会を生き抜くために必要な能力の育成を重要視している。本研究では、そのような能力
を効率的に育成するためには、教材の特徴を活かしてどのように指導すべきかを考察する。
小説においては、作品に登場する複数の視座の間を移りわたり、学習者の「自己の残余」
を照らし出すことが鍵となる。すなわち、外部からの働きかけにより初めて意識される領
域に出会うことが目標と言える。例えば「走れメロス」は信頼や友情をテーマとする作品
だと解釈されることがある。授業では教材を再読しながら、テキストの細部や視座に注目
することで、初読時に読者が築いた物語を修...