2000年以降世界はグローバル化の新たな時代を迎え、様々な面で発展した。国境の枠が無くなったことで海外旅行をする観光客が増加し、外国の文化に接する機会も増え異文化交流が促進された。ヒト・モノ・カネ・情報の流動化により世界経済の融合化と連携深化がみられるようになり、世界規模で貿易が発展したが、その反面、グローバル化は経済格差など多くの問題をもたらした。本稿では世界中で深刻化する経済格差に焦点を当て、現状と課題について論じていく。
広がる経済格差の解決に向けて
2000 年以降世界はグローバル化の新たな時代を迎え、様々な面で発展した。国境の枠が
無くなったことで海外旅行をする観光客が増加し、外国の文化に接する機会も増え異文化
交流が促進された。ヒト・モノ・カネ・情報の流動化により世界経済の融合化と連携深化
がみられるようになり、世界規模で貿易が発展した。国際的分業が進み、より効率的な低
コストでの生産が可能となり、物価が低下して社会は豊かになった。今日、我々はグロー
バル化によって様々な利益を享受している。
その反面、グローバル化は多くの問題をもたらした。多国籍企業による経済支配の高ま
りの結果として世界的な富裕層が増大し、先進国で中流階級の没落・貧困化がみられる一
方、発展途上国では中流階級が成長し、富裕層と貧困層の経済格差がさらに広がることと
なった。驚くべきことに、全世界の人口を 130 人と仮定すると、富裕層とされる人口はた
ったの 3 人であるにも関わらず、貧困層の人口は 30 人もいるということが分かった。また
富裕層が全世界の 82.8%もの富を所有している一方、貧困層は一日たったの 2 ドルで...