2018年に合格したものです。
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[PE2020]日本史各論1 1単位目
今回の課題では具体的な歴史資料として板碑を取り上げ、その中でも十五世紀半ば前後に関東地域において特に栄えた月待板碑、庚申待板碑に着目し、そこから中世における東京の歴史を考察することとする。
まず板碑とは板石卒塔婆とも称される主に供養塔として使用される石碑の一種であり、現在の卒塔婆の起源となっている。鎌倉時代にその造立は始まったとされ、鎌倉時代から室町時代前期にかけてその造立は盛んであった。日本各地にその造立は見ることができ、そのことから日本全国で信仰や死者や先祖への敬意が深く存在していたことを象徴する。関東地方では、別名青石塔婆と称される秩父産の緑泥片岩で形成された武蔵型板碑が多く分布する。武蔵型板碑は荒川・古利根川・入間川で船を利用して積み出され各地に運搬された。頭部を三角形にして二条線を刻み、その下に仏を表す梵字や仏像、造立目的、造立者名、年月日などを刻む。ここで刻まれる仏は阿弥陀如来が八割以上を占めると推定されるほど多く、これは宗派に関係なく阿弥陀信仰が広まっていたことを示している。例えば東京都東村山市にある徳蔵寺の板碑には、阿弥陀三尊像...