2018年度-2019年度佛教大学通信教育課程の合格リポートです。すべてAもしくはB判定を受けています。
科目コードが違っていても設題が同じであればお役に立てると思います。あくまで参考程度になされますようお願い致します。
設題:テキスト『多神教と一神教』について 古代地中海世界の多神教そして一神教の成り立ちや変化、後世への影響について、歴史的背景を意識しながら論じなさい。
テキスト『多神教と一神教』について
古代地中海世界の多神教そして一神教の成り立ちや変化、後世への影響について、歴史的背景を意識しながら論じなさい。
今回の舞台である古代地中海世界とは、数多の民族や文明が衝突と融合を繰り返して新たな文化を形成していった地域である。宗教においても例外ではなく、主に多神教崇拝と一神教崇拝が存在している。これらの成立過程や変化をまとめ、後世に及ぼした影響について考察していく。
多神教崇拝とは、宗教の形態として多くの神々を信仰する態度のことである。自然の天変地異や人間の死といった人間を超絶した世界を神と呼んで起こった。歴史上の出来事に際して形成されたわけでも、開祖がいたわけでもなく、あくまで自然史の一部とみなすことができる。
例えば最古の文明であるメソポタミア文明の興ったシュメールでは、天空・大洋・月・雷雨・豊穣といった様々な自然現象に対して神性を見出していた。シュメール神話ともいわれるこの世界観はアッカド王国や古バビロニア王国が席巻した後も、改変や習合がありながらメソポタミア神話として受け入れられていった。旧約聖書「創世記」にこの時代の洪水伝説が取り入れられ...